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終わりの始まりに二度目の生を謳歌する【五条悟】

第6章 引越し


それから数日も経たないうちに悟くんの家に引越して、ある程度荷解きをしてから出前を頼んだ。

いや、頼まれた。

高いのに!


「引越し祝いということでさ。いいじゃん、もう目の前にあるわけだし。」


「うぅ…ありがと…。」


引越し祝いって普通、引越しした親しい人に贈る物じゃないの…。

しかもお寿司って!


「そういえば奏音って、お酒飲んだことあるの?去年20歳なったでしょ?」


「ん?あーちょっとだけあるよ。誕生日の時に家族と。」


急にどうしたのだろう…確かに彼の前でお酒を飲んだことはないが…。


ふーんと言いながらキッチンに向かい、瓶を抱えて戻ってきた。


「ワイン。貰ったのはいいけど、僕飲まないからさ。飲んでくんない?」


悟くんってお酒飲まないんだ…ん?ワインがダメなのかな。


頷くとグラスを持ってきて注がれる。


「ありがと…悟くんってワイン苦手なの?」


「いや、お酒全般無理。」


全部ダメなんだ、なんか可愛いな。


というか、私もワインは飲んだことないから飲めるかわからないけど。


悟くんは甘そうなジュースをコップに注ぎ、乾杯をして飲む。

ゆっくり口に入れて飲んでみると……。


「美味しい!悟くんこれ美味しいよ!飲んでみて!」


「いや、本当僕、飲めない…。」


すごく美味しくて興奮して、飲めないという悟くんに無理やり飲ませてしまった。

特に異常はなさそうだけど、さすがにすぐ酔いが回るわけではないか。


ごめんねとさすがに謝ってお寿司を食べ始める。


2人でお寿司を食べていたが、悟くんが無言過ぎて不安になり顔を覗き込むと、頬を赤らめボーッとしていた。

1口で酔ってる…本当に苦手なんだ。


「ご、ごめんね?お水飲む?」


「ん〜奏音がいい。」


はうっ!
とろんとした目で笑顔になり、破壊力がすごかった。

可愛い…。

じゃなくて、水と私の関係性は一切ない。何がいいんだろうか。

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