第2章 最強の死
とりあえず、この腹部の傷の治療に専念しなければ。
「御子神さん、僕は腐る程お金を持っているから好きに使って。と五条さんが…。」
手渡された通帳を捲り額を確認してから、何故こんな物を私に持たせると伊地知さんに返した。
だが、悟くんに渡せと言われたらしく、仕方なく受け取った。
「伊地知さん、包帯や脱脂綿、消毒液を大量に準備してもらえませんか?あればある程嬉しいです。」
通帳を渡して調達をお願いする。
縫い合わせただけで包帯も何も巻かれていないので、処置をしなければならない。
死んだものとして、そのまま埋葬しようとしていたのだろう。
どのくらいかするとお願いした物を大量に持ってきてくれた伊地知さんに手伝いを頼み、傷口を消毒して包帯を巻いていく。
しっかりと治療はされているようだった。
だが、完全に切断されていたらしく、まだ結号部が不安定らしい。
布団に寝かせ出来ることはしたので、伊地知さんには帰ってもらった。
定期的に来てくれるようだ。
後は悟くんが目を覚ますのを待つだけ。
ずっと彼を診ておかなければいけないので、仕事は辞めた。
貯金はあるので少しは食い繋げられるだろう。
「悟くん、もうあなたは自由だよ。独りで戦わなくていいからね。」
呪術界最強の五条悟は死んだことになっている、だからもう普通に生きて欲しかった。