第6章 引越し
「お、やっぱお手伝いさん来てるね。ちゃんと掃除されてる。」
部屋の中に入ると大きな窓から見てる景色がすごくてテンションが上がってしまった。
これが夜に見れたら……って、ここは使っちゃダメでしょ。
「悟くん、やっぱここはやめよう?バレたら……。」
「やだ〜ほら、こっち来てよ。」
連れて来られた場所は寝室のようだ。
めちゃくちゃ大きなベッドがある。
「僕、このベッドで寝たいなぁ…ね?」
わかってる、わかってるよ…布団が小さすぎるのは…でもそれはオーダーメイドすれば出来るはず…。
ただ、値段が…。
いきなり横抱きにされてベッドに放り投げられた。
「どう?ふかふかでしょ?ここでいっぱいセックスしようよ。」
「なっ…まだそれは待ってって…!」
あんなことまでしたがさすがに最後までするのは怖くて、全然先に進めていない。
でもいいな、このベッド…。
これだけじゃないよと肩に担がれてリビングに戻るとキッチンのプレゼンを始める。
「ほとんど使ってないけど、いろいろ揃ってるよ。」
ほら!ほら!ほら!と食洗機やらIHコンロやら収納の多さやら…料理してる君と向かい合って見れるよ!とかもう…ここぞとばかりに見せられた。
またリビングを出て脱衣所に来るとここはトイレねと軽く見せられ、浴室の扉を開ける。
トイレもトイレですごかったけど…。
浴室に入ると…広かった。浴槽も大きいし…。
「君ん家のお風呂は2人で入るのきついじゃん?ここならいくらでも一緒に入れるよ!」
なんか、だんだん惨めになってきたのだが…。
住む世界が違い過ぎる。
他にも何部屋か案内されてリビングに戻ってくると、窓から景色を眺める。
「ねぇ、どうしてもダメ?」
正直、めっちゃここに住みたい。