第4章 力の代価
クッションに座っているといきなりクッションごと引き寄せられ、頬にキスをされる。
そのまま肩を抱かれ軽く後ろに倒されると、支えられながら唇にキスをされた。
「お風呂…。」
「ん…まっ、わかったからっ!」
何度もキスをされて無理やり引き剥がし、浴室に向かう。
顔が熱い…お風呂を沸かしてから洗面台で顔を洗った。
何回キスされても慣れない。
悟くんが私を溺愛…このキスもそれのせいなのだろう。
「奏音…。」
部屋に戻ると手を引かれて、また膝の上で腕の中に収まってしまう。
お腹に回された手がゆっくり上に上がってきているのに気付き、慌てて引き剥がした。
だが、もう片方の手が軽く膨らみに触れる。
「…やだ。」
すぐに手がお腹に戻り、ぎゅうと抱き締められる。
あたってる…お尻に硬いのがあたってる。
悟くんが1人でしてる雰囲気はない、ずっと我慢してるんだろうか。
一度家を空けてみるのもいいかもしれない。
また一緒にお風呂に入り逆上せそうになるのをなんとか耐えて、布団の中に滑り込んだ。
もう悟くんは私の全部を見てるかもしれない。
一緒にお風呂に入っていれば、普通に見えているだろう。
後ろからお腹に手が回り、何度も胸を触ろうとしてはやめている。
この距離のせいだろうか、私が距離を取ればこういうことをしたいと思わなくだろうか。
「……したい。」
どうすればいい…?私は悟くんが好きだ、だけど悟くんの気持ちは…。
ごめん悟くん、私にはまだそんな勇気なんてないよ…。
そのまま寝たフリを続けた。