第4章 力の代価
インターホンを押すと母が出てきて中に入れてもらう。
祖母の部屋に行くと悟くんを見て固まった。
やはり知っているようだ。
とりあえず挨拶をして座る。
「おばあちゃん、悟くんが生きてることは内緒ね。」
頷いた祖母に早速、能力について聞いてみる。
「お前、還魂の術を使ったのか。ほう、この色男が奏音をねぇ…。」
あの能力は還魂の術というのか…。
祖母の言っていることがなんなのかわからなかったが、還魂の術について詳しく聞くと、殺された人にしか使えないらしく、老衰や自殺では使えないようだ。
「特に使ったとしても副作用等はないがな…ただ……。」
「ただ?」
「生き返った人物は使用者に対して、盲目的な愛情を向けることになる。」
ん?盲目的な愛情?
首を傾げて祖母を見つめるとニヤッと笑った。
「お前は五条悟に溺愛されるっちゅーことだよ。」
それは…この能力を教えてもらった時に言って欲しかった。
なんてこったい…まさか今までのあれはそれのせいで…。
なんか嫌だなと思ってしまった。
悟くんの気持ちは私が術を使ったからで、悟くん自身の気持ちではない。
「悟くんは知ってた?」
首を振る彼は、能力のことしか知らなかったようだ。
「そうだおばあちゃん、悟くんね、たぶんもう何の力もないの。術式使えないんだよね?」
頷いた彼を見てまた祖母に向き直る。
どうやらそれに関してはそのうち使えるようになるだろうということだ。
とあることをすれば…と言われ、また首を傾げる。
とあることは教えてもらえなかった。
それを教えてもらえないと避けようがない、もう悟くんには戦って欲しくないんだ。
「まあ、せいぜい頑張れ。」
他人事のように…まあそうなんだろうけどさ…。
その後は少し家族と話してから家に帰った。