第3章 看病の日々の中
悟くんととんでもないことしちゃったよぉ…と繋がれた手を見ながら歩く。
足が長い悟くんはずっと私の歩幅に合わせて歩いてくれていたが、私が遅すぎたのか手をぐいんっと引かれて隣までくる。
買い物を終わらせて家に帰り、すぐにご飯の準備をした。
お昼も食べずに寝ていたので、相当お腹が空いているだろう。
夜寝れるかな…。
「……危ないから離れてもらえるかな?」
揚げ物をしてる時に後ろから抱き締められて、平常心を装いながら声をかける。
「…ぁ、まだ…?」
その瞬間、真後ろからぐぅううううとすごい音が聞こえてきた。
「ふふっ、もう少し待っててね。」
だから離して〜と左手でお腹に回った腕を掴む。
離れてスマホを弄る彼を見てから、なかなか喋ることが出来ない理由を考えながら唐揚げを揚げていた。
自分の能力についてはあまり知らないが、頭を弄られたからだろうと思った。
正常に脳から伝達されず、言葉にするのが難しいのだろう。
でも喋れるようになってきているということは、修復されつつあるということ。
早く普通に喋れるようになって欲しいなと思いつつ、戻ってはっきり可愛いと言われたら死ぬと思った。
出来上がった唐揚げをテーブルに運び、ご飯やサラダも持っていく。
どうやら今回は自分で食べてくれるようだ。
ご飯を食べ終わってシャワーだけでも浴びようと悟くんに声をかけると、キスをされて脱衣所に連れていかれる。
また一緒がいいのだろうか。
「か、かわい…。」
また頬に手を添えてそんなことを言うもんだから、キスで熱くなった顔が余計熱くなった。
結局一緒にシャワーを浴びらされて、上がってからアイスを一緒に食べた。
アイスを食べる悟くんが上機嫌過ぎて、そういえば甘い物が好きだったなと思い出に思いを馳せる。
「…す、き…。」
「え…?……あー、アイスね!うん、美味しいね。」
びっくりした、私のことだと勘違いするとこだった。
「奏音…。」
なんだろうと思い彼を見ると食べ終わったようなので片付けて、一緒に歯を磨いてから、また抱き締められて眠った。