第3章 看病の日々の中
そろそろお湯が溜まったかなと思い、お風呂を見に行くと溜まっていたので、悟くんを呼んで一緒に入る。
先に浸かっている悟くんの目を隠しながら湯船に入って背を向けたが、身体の向きを変えられ、向き合ってしまった。
両手を指を絡めて目の前で握られ、そのまま引き寄せられて唇が重なる。
キス魔だ…絶対そうだ。
入ったばかりなのにもう逆上せそう。
握った手を下向きにして引き寄せられて逃げられない。
耳とか首にリップ音をたてながら何度もキスをされる。
この雰囲気、危ないのでは…?
「さ、悟くん…もう…んっ!」
吸われた…首吸われたっ!
「奏音…。」
燻んだ蒼眼が熱を宿している。
食べられそう…。
もうやめてと言えば手を離してくれたので、少し離れて向き合ったまま座った。
のだが…じりじり距離を縮めてくる。
頬に手を添えられると肩を震わせて反応してしまい、余計恥ずかしくなる。
絶対茹でダコなってるよ…。
「……かわい。」
ニコッと笑うので、もう私の心臓は限界だった。
限界なのにたどたどしく何度も可愛いと言ってくるので、キャパオーバーしてまった。
目が覚めるとバスローブでベッドの上にいた。
いや、悟くんの腕の中にいた。
悟くんは寝ているようで、何時だろうとスマホに手を伸ばす。
早く買い物して帰らなきゃ…結局ほとんど散歩出来なかった。
「悟くん?悟くん起きて?」
胸を軽く押しながら揺すると薄く目が開いて、覚醒したのか、途端にパッと見開く。
「な、何もしてない…よね?」
頷いているがその顔は申し訳なさそうに眉を下げている。
本当は何かしたんじゃ…いや、私が倒れたからだろうか。
途中から記憶がないので逆上せたのだろう。
買い物をして帰ろうと起き上がり服を探そうと思ったのだが、ソファに上に綺麗に畳まれて置かれていた。
悟くん、してくれたんだ。
服を持って脱衣所に行き、すぐに着る。
悟くんにも服を着せてホテルを出た。