第3章 看病の日々の中
胸を押さえている腕を取られて、ブラを取られた。
「じ、自分で脱ぐからっ、悟くんも脱いでよ…。」
目の前で腕を広げられて、脱がせろと言っているのだと気付いた。
とりあえずタオルを巻いてから脱がせていく。
上を脱がせて、下は目を瞑って顔を背けながら下ろすと、自分で足を上げてくれるので、脱がすのは苦ではない。
タオルを取られて下着に指がかかって、あまりの手際の良さに驚いた。
もう喋ること以外は普通に出来そうだな…。
待って…このまま下げられたら丸見えなる。
手を押さえるのは間に合わなかったので、咄嗟に前を隠した。
見られたかな…見えてない?え、わかんない…。
「あ、待って…お風呂に入りたいんだよね?お湯溜めなきゃ…。」
あ…という顔をしたので思わず笑いそうになってしまう。
裸のまま浴室に連れられて蛇口を捻るとまた出ていく。
ベッドの上に座っても服は着せてもらえず、後ろから抱きつかれた。
完全に腕と足に閉じ込められてるのだが…。
テレビを見ようと思いつけようとしたら、リモコンを持った手を掴まれた。
どうしたんだろう…と電源のボタンを押した。
「奏音っ……。」
「………。」
何も喋らずにそっと消した。
まさかAVが流れるとは思わないじゃん…。
顔が熱くなり俯いて自身の膝を見つめる。
「ふっ、ふふ…。」
っ!笑った!
今まで笑顔を見せることはあったが、声を出して笑うことはなかった。
今日すごいね、いっぱい喋るし笑う。
散歩、楽しいのかな。