第12章 最強の…
「奏音さんだっけ?奏音さんと2人でも五条先生ってあんな感じなの?」
どんな感じ?前に悟くんに抱きついてた子だ。ピンク髪の男の子。
「うーん…もっと甘々かも?あ、名前教えてもらってもいい?」
あれよりも?とうげっ…としていた。
どうやら名前は虎杖悠仁くんと言うらしく…じゃあこの子が呪いの王を倒した子だと、伊地知さんや悟くんが言っていたことを思い出す。
黒髪のツンツン頭の男の子がなんで聞いたと呆れている。この子はわかるかもしれない。
私と会わなくあった後、悟くんが引き取った子。
「恵くん…?」
悟くんが恵って言ってた気がする…ウニ頭って…。
「俺のこと知ってるんですか?」
悟くんが言ってたと伝えれば、あの人、余計なこと言ってないですよね…とブツブツ言っている。
大丈夫だよと笑えば、疑いながらそれならいいですけど…と呟く。
「みんな素直でいい子って言ってた。」
すると、突然女の子が叫び始めた。
私の前の悟くんを想像したらしく、よくあんなのと付き合えますねと引いた顔をしている。
悟くん、あなたの生徒はツンデレが多いのかな…。
どんなに否定する言葉を吐いていても、悟くんのことが大好きなのが伝わってくる。
悟くんが愛されているのを知り、嬉しくなった。
「こんぶ。」
こんぶ!?いきなり後ろから声が聞こえて振り返ると、憂太くんとその隣には仲良さそうな火傷跡の女の子、パンダのぬいぐるみを抱えた白髪の男の子がいた。
「憂太くん久しぶり!」
「お久しぶりです、奏音さん。」
憂太くんの彼女さんかな?ただの友達にしては距離が近かった。
どうやら、こんぶと言ったのは白髪の男の子のようだ。
その後はみんなでいろいろ話して、悟くんが帰ってくるのを待っていた。