第3章 看病の日々の中
このアパートはワンルームなので、いつも少し布団を離して寝ているのだが、今日はダメらしくぴったりとくっつけられた。
そしてくっつけたにもかかわらず、私の布団に潜り込んできて腕の中に閉じ込める。
この人といたら、心臓がいくつあっても足りない。
離してと胸を押すがやだと言わんばかりに抱き締められる。
足まで巻き付けてきて身動きが取れなくなった。
このままでは寝れない。
「悟くん!寝れないから……ふぇ?え、ちょ…え?」
ブラのホックを外され、驚いて固まっている間に上半身を裸にさせられた。
何故か悟くんも脱いでまた抱き締めてくる。
わけがわからないのと羞恥心でどうすることも出来ないので、暗くて見えていないだろうと思い込みそのまま眠ることにした。
だってこんなの、未経験の私が理解出来るわけないじゃん!キスだって初めてだったのに!
どんなに見えてない、これは大型犬だと思い込もうとしても、心臓がバクバクして眠れない。
この腕から抜け出すことも叶わない。
「悟くん…。」
「…奏音。」
なんだ!ただ名前を呼び合うだけになってしまい、余計恥ずかしくなる。
少しすると頭上で規則正しい寝息が聞こえてきて、どうしたらいいかずっと考えていた。
寝不足確定です…。
寝たら力が弱まるかと思ったが、そんなことはなかった。
悟くんの肌の温度を直接感じて、温かさに安堵を漏らすのと同時に心臓は早鐘を奏でるだけだ。
「悟くん、私の心臓爆発しちゃうよ…。」
美しすぎる寝顔を睨んだ。