第7章 音の豪奢、頭脳の静寂
私の返答に、宇髄さんは満足げに頷いた。
「いい返事だ。行くぞ、相棒!」
彼はそう言うと、瓦礫の山を軽々と飛び越え、歓楽街の奥へと進んでいった。私も彼の後を追う。私の隊服の裾が、風を受けて優雅に揺れた。
歓楽街の奥には、鬼の姿があった。
五体の鬼が、すでに数名の人を襲っている。
宇髄さんは、迷うことなくそのうちの一体に向かっていった。
「行くぞ、お前さん! 派手に殺ってやる!」
彼の持つ二振りの日輪刀が、凄まじい轟音と共に鬼の首を狙う。
私は、その様子を冷静に分析した。
彼の攻撃は、派手な動きに反して、非常に効率的だ。
音の呼吸、というだけあって、彼は音を操り、鬼の動きを予測しているようだ。
「…鬼の動き…不透明。でも右にを警戒してる…なら左から!」
私は、宇髄さんの動きに合わせて、鬼の死角を突くように動いた。
「愛の呼吸…壱ノ型、鴻雁愛力!」
私の日輪刀が、鮮やかな赤い光を放ち、鬼の一体の首を斬る。
少しは煉獄さんとの特訓の成果が出ているのだろう。
宇髄さんが驚いたように、私の方を見た。
「ほう、やるじゃねえか。地味な見た目のくせに、派手な剣技だな」
私は、彼の言葉に照れながらも、もう一体の鬼に向かっていく。
私の刀は、宇髄さんのように音は立てない。
しかし、その動きは滑らかで、まるで舞を舞っているかのようだった。
鬼は、宇髄さんと私の動きについていけず、あっという間に首を斬られた。五体の鬼をあっという間に討伐し、私たちは人々を藤の家紋の家へと避難させた。