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【鬼滅の刃】屋烏の愛

第1章 『普通』


その夜、私は両親に、鬼殺隊に入隊したいと告げた。
「お父様、お母様。私、鬼殺隊に入りたいのです。私にも、できることがきっとあるはずだから。」

しかし、私の決意は、両親に激しく反対された。

「何を馬鹿なことを言っているんだ!お前には何の才能もないだろう!刀も振れず、鬼と戦えるわけがない!」

父は怒りを露わにし、母は悲しみに顔を歪めた。

「あなたには何の力もありません。鬼に命を奪われてしまうかもしれない…そんな危険な道に行って欲しくないのです。」

両親の言葉は、私を想ってのことだと分かっていた。
しかし、私はもう、平和な箱庭の中に閉じこもってばかりはいられない。

「わかっております。私に剣の才能がないことも、この身一つでは何もできないことも。でも、私は諦めたくないんです。彼らが命を懸けて戦っているのに、私だけが安全な場所にいるなんて…そんなの、嫌なんです!」

私の強い決意に、両親は言葉を失った。父は、やがてため息をつき、静かに言った。

「…産屋敷様にご相談しよう。だが、もし産屋敷様が許されなければ、諦めてもらうぞ。」

その言葉は、私にとって最後の希望だった。私は、頭を下げ、父の言葉を胸に刻んだ。

「はい。承知いたしました。」

こうして、私は初めて、自分の意志で、自らの進む道を選び取ったのだった。
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