第6章 炎の邂逅
「…煉獄さん!弐ノ型『昇り炎天』は、剣を地面から振り上げ、鬼を攻撃します。もし、この時、刀を少しだけ傾けて振り上げれば、攻撃の範囲を広げることができ、複数の鬼を同時に攻撃できます!」
私がそう言うと、彼は驚いたように私を見た。
「うむ!素晴らしい!君の言う通りだ!しかし、なぜ君は、そのことに気づいたんだい?」
「…煉獄さんの炎の呼吸は、魂の炎。その魂の炎が、最も効率的に燃え盛る軌道を、私なりに計算したんです…」
私の言葉に、彼は何も答えなかった。ただ、静かに、私の頭を乱暴に撫でてくれた。
「うむ!愛染君!君の頭脳は、本当に目を見張るものがある!俺の炎の呼吸と、君の愛の呼吸を組み合わせれば、最強だ!」
彼の言葉は、私の心を激しく奮い立たせ、私の中にある可能性を信じさせてくれた。
その日以来、私の修行は、彼の指導と、私の頭脳が融合した、新しい形へと変わっていった。私は、彼の炎の呼吸を、私の愛の呼吸へと昇華させるために、ひたすら頭脳を使い、そして、体を鍛え続けた。
「ふぇぇ…もう、だめです…」
私が力尽きて倒れると、彼は何も言わずに、私を背負い、蝶屋敷まで運んでくれた。彼の背中は、太陽のように熱く、私の心を温かく包み込んでくれた。
「…煉獄さん…」
「うむ!愛染君!君は、素晴らしい剣士だ。君の愛の呼吸は、必ず、人々を救う。」
彼の言葉は、私の心を深い安堵で満たし、私の中の迷いを全て消し去ってくれた。