第5章 友情の輪の中で
縁側で、炭治郎、善逸、伊之助の三人が、それぞれの任務での出来事を語り合っていた。
「それでな、善逸がさ、俺の頭突きに勝負を挑んできて…!」
「うわああああ!炭治郎、やめてよ!俺、もう死ぬかと思ったんだから!」
「猪突猛進!俺様の方が強えんだよ!俺の頭突きを止めてみろ!」
三人の賑やかなやり取りを、私は微笑ましく眺めていた。彼らは、鬼殺隊という過酷な世界で、互いの痛みを分かち合い、支え合っている。
「ふふ…三人とも、本当に仲がいいなぁ。」
私がそう呟くと、銀次郎が私の肩の上で「ケッ!お前も混ざってやれよ」と鼻で笑った。
「…私なんかが、入ってもいいのでしょうか…」
「チッ、何を言ってんだ。もうお前は、あいつらの仲間だろ!」
銀次郎が言ってくれた仲間という言葉を聞きながら、ぼんやりと眺める。
彼らのグループに、もし名前をつけるとしたら…?
「…『太陽と雷と猪の三人組』…?うーん、ちょっと長いかな…」
「『竈門炭治郎と、その愉快な仲間たち』…?いや、これは違う…」
私が一人でぶつぶつと呟いていると、銀次郎が呆れたように言った。
「ケッ!お前は本当に…そんなこと考えてる暇があるなら、刀の素振りぐらいしてろ!」
「ふぇぇ…ごめんなさい。」
私がそう言うと、銀次郎は「チッ…」と舌打ちをしながら、夜空へと飛び立っていった。
私は、銀次郎の"仲間だろ"という言葉に微笑み、再び彼らの賑やかな声に耳を傾けた。彼らの友情の輪の中に、私も入ることができた。そう思うと、私の心は温かい光に満たされていくようだった。