第5章 友情の輪の中で
「…炭治郎さん!?」
私が声をかけると、二人は私に気づき、こちらへと駆け寄ってきた。
「おお!知令じゃないか!最終選別、無事でよかった!」
炭治郎は、満面の笑みで私を迎えてくれた。彼の周りには、いつも太陽のような温かい空気が漂っている。
「うわあああ!知令ちゃん!俺、もう死ぬかと思ったよー!」
善逸は、私に抱きつこうと、泣きながらそう言った。私は、彼を優しく受け止めた。
「ふぇぇ…落ち着いてください…名前…なんでしたっけ?」
「ぎゃー?!覚えてないの…俺…悲しい…。」
覚えてないもなにも、名乗ってなかったじゃない。
炭治郎に「我妻善逸」という名を教えてもらった。
…そして、本当に知らない子が1人。
「お前、誰だ!俺様と勝負しろ!」
伊之助は、私にそう言って、刀を構えた。私は、彼の言葉に微笑み、日輪刀を構えた。
炭治郎と善逸はええーっ?!と驚いていた。
私が、好戦的だとは思わなかったようだ。
「はい!伊之助さんの戦い方、とても興味があります!」
「なんだと!望むところだ!」
私は、伊之助の攻撃を冷静に分析し、最小限の動きで回避した。伊之助は、私の動きに驚き、目を丸くした。
「…なんだ、お前!強ぇじゃねぇか!」
「ありがとうございますっ!蜜璃さんとの修行で、伊之助さんみたいな戦い方をする方もいると教わりました。だから、いつか出会ったら、ぜひ戦っていただきたいと思っていました!」
私の言葉に、伊之助は照れたように顔を赤らめた。