第4章 分析したい、風の気持ち
その夜、私たちは、鬼と対峙した。それは、複数の鬼が同時に現れる、厄介な状況だった。
「チッ…厄介だな。」
不死川さんは、舌打ちをしながら、風の呼吸を放った。彼の剣技は、あまりにも速く、そして鋭かった。風が巻き起こり、鬼を次々と切り裂いていく。
しかし、鬼は、不死川さんの攻撃を躱し、私に向かって襲いかかってきた。
「…ふぇぇ…?!」
私は、不意を突かれ、鬼の攻撃を躱しきれない。その瞬間、不死川さんが、私と鬼の間に割り込むように現れた。
「…っ、危ねぇだろ!腑抜けた顔してんじゃねぇ!」
彼は、鬼に斬撃を浴びせながら、私に怒鳴った。彼の言葉は乱暴だったが、その瞳には、私を気遣うような、優しい光が灯っているように見えた。
私は、彼の言葉にハッと我に返った。
「…ごめんなさい…!」
私は、呼吸を整え、鬼の動きを分析する。
「不死川さん!鬼は、右側の動きが鈍いです!」
私の言葉に、不死川さんは静かに頷いた。彼は、私の言葉を信じてくれた。
「…風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐!」
不死川さんは、風の呼吸で鬼の右側から攻撃を仕掛けた。鬼は、右側の動きが鈍いため、彼の攻撃を躱しきれない。
そして、不死川さんの活躍で鬼を倒した。
鬼を倒し、夜明けが近づいてきた。私たちは、何も言葉を交わすことなく、ただ静かに座っていた。
「…お前…なんで、俺なんかに付いてくるんだ。」
不死川さんが、静かにそう言った。
「…不死川さんは…本当は、優しい方だと…知っているからですよ。」
私の言葉に、彼は驚いたように私を見た。
「男に優しいとかほざいてんなねぇよ。」
言葉こそ冷たいが、静かに、確かに微笑んだ。私が見た、二度目の彼の笑顔だった。