第4章 分析したい、風の気持ち
不死川さんと別れてから、私は彼の言葉が頭から離れなかった。
"お嬢様には、鬼殺隊は向いてねぇ"
その言葉は、彼の鬼に対する強い憎しみからくるもの。しかし、彼の瞳の奥に隠された悲しみが、私には痛いほど分かった。
「…きっと、不死川さんも…守れなかったものがあるんだ…」
私は、彼の言葉の真意を探るために、夜の庭で再び鬼の分析ノートを広げていた。
「チッ…お前、またそんなことしてんのか」
銀次郎が、私の肩に止まり、呆れたようにそう言った。
「…うん。でも、どうしても気になるんです。不死川さんの言葉が…」
「ケッ!あんな奴、放っておけよ。鬼に憎しみを持つのは、当たり前のことだ。俺だって…」
銀次郎は、そこまで言うと、言葉を詰まらせた。銀次郎も、何か辛い過去があるのかもしれない。
その時、庭の奥から、微かな声が聞こえた。
「…すまない…ごめん…」