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【鬼滅の刃】屋烏の愛

第3章 水面に浮かぶ静かな村


「…私の愛の呼吸は、人を守りたいという強い気持ちから生まれています。でも…あの鬼には、その気持ちが…届かなかった…私の力不足です…。」

私は、そう言って、涙を拭った。

「…鬼には、心がない。だから、お前の気持ちなど、届くはずがない。無力なのは、当たり前だ。」

彼の言葉は、まるで私自身に言い聞かせているようだった。

「…でも…!あの鬼は、確かに…哀しそうだった…」

私の言葉に、彼は驚いたように私を見た。

「…哀しい…だと…?」

「…はい。鬼になったばかりの頃の記憶を、必死に…消そうとしているように見えたんです…だから…」

私の言葉に、彼は何も答えなかった。ただ、静かに、夜空を見上げていた。

「…夜が明ける。そろそろ行け。」

彼は、そう言って、再び冷たい表情に戻った。しかし、私は、もう彼の言葉に耳を傾けるだけではいられなかった。

「…冨岡さん!あなたには、守りたいものが…あるはずです…」

私の言葉に、彼は静かに立ち上がった。

「…お前には、関係ない。俺は…」

「…妹を鬼にされた男の、悲しみも、怒りも…分からない…そう言いましたね…でも、私には分かります…」

私は、そう言って、立ち上がった。

「…私も、家族を鬼にされた男の、悲しみも、怒りも…分かります。だから、あなたと一緒に、鬼と戦いたいんです…」

私の言葉に、彼は何も答えなかった。ただ、静かに、夜明けの空を見つめていた。その瞳には、もう、冷たい光はなかった。
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