第3章 水面に浮かぶ静かな村
私たちは、新たな任務の地へと向かった。その任務は、鬼の被害が多発している村の調査だった。私は、鬼の調査を行っていた。昼は村人たちの話を聞き、鬼の出現パターンを分析する。そして、夜になると村へと向かう。
村は、夜の闇に包まれ、静まり返っていた。しかし、その静けさは、決して安らぎをもたらすものではなかった。風が吹くたび、私の胸は嫌な予感でざわついた。
「銀次郎、何か気配はありますか?」
「チッ…さぁな。でも、鬼の匂いはするぜ」
銀次郎の言葉に、私は日輪刀を握りしめた。
「…知令、おい!知令!いるぞ!鬼の匂いがする!」
銀次郎が私の肩に止まり、騒ぎ出した。私は日輪刀を握りしめ、呼吸を整えた。
その時、森の奥から、冷たく、そしてどこか悲しい空気が流れてくるのを感じた。
「…水の呼吸…」
私の知る、穏やかな水の呼吸とは違う。
それは、まるで凍りついた湖のように、静かで、しかし全てを飲み込むような圧倒的な気配だった。
私がその気配のする方へ向かうと、そこにいたのは一人の剣士だった。黒い隊服に、左右で柄の違う羽織を身につけた、無表情の男性。彼の刀から滴る水滴は、まるで凍っているかのように冷たい光を放っていた。
彼の目の前には、鬼が倒れていた。鬼は、首を斬られ、ゆっくりと消滅していく。私は、その圧倒的な強さに言葉を失った。
「…水の呼吸…すごいです…」
私は、思わずそう呟いた。