第2章 頭脳という刀
そして、ついに最終選別を前に、日輪刀を授かる時が来た。
鉄穴森さんという、いつも穏やかな表情をした刀鍛冶師が、私の前に現れた。
「…初めまして。甘露寺様の継子さんですね。お話は聞いております。」
彼は、私に一本の刀を差し出した。それは、他の隊士たちが受け取るものよりも、どこか細く、そしてしなやかに見える刀だった。
「…私の体に合わせて、特別に打ってくださったのですか?」
私がそう尋ねると、彼は静かに頷いた。
「ええ。甘露寺様から、あなたの持つ判断力と身体のしなやかさに合わせた刀を、と…ご依頼を受けましてな。さあ、早く刀を握ってください。あなたの色を、私に見せてください。」
日輪刀は、持ち主の呼吸法や個性によって色を変えるという。
他の隊士たちは、炎のように赤く、水のように青く、雷のように黄色く、それぞれの色に染まっていく。
私は、どんな色になるのだろうか。
「…私の色…」
私は、手に取った刀を強く握りしめた。