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【鬼滅の刃】屋烏の愛

第2章 頭脳という刀


さらに私は、新体操のバレリーナのように、身体を柔軟にするためのストレッチ法や、筋肉を効率的に動かすための訓練を、独自に編み出した。

蜜璃さんの特訓は、私に身体の限界を押し広げるきっかけを与えてくれたのだ。私はもともと力はないが、しなやかさなら身につけられる。そう確信した私は、蜜璃さんの呼吸の動作を徹底的に模倣し、関節の可動域を広げ、筋肉を柔らかくする訓練に明け暮れた。

そして、「恋の呼吸」の習得。私は蜜璃さんの流麗な技を、一コマずつ頭の中で再生し、無駄な動きを全て削ぎ落とした。私が放つ一撃は、蜜璃さんのものほど豪快ではない。しかし、彼女の呼吸に私の頭脳が加わることで、鬼の動きを先読みし、急所を的確に攻撃する、柔軟な攻撃技へと昇華していった。

そしていつの間にか、蜜璃さんの呼吸の型を改良し、自分だけの技を編み出したのだ。

『愛の呼吸 壱ノ型 鴻雁愛力(こうがんあいりき)』
敵の動きを分析し、最も安全な場所から、相手の急所を的確に攻撃する技。

『愛の呼吸 弐ノ型 愛及屋烏(あいきゅうおくう)』
自分の大切な人を傷つけようとする敵に対して、複数の攻撃を同時に繰り出し、相手の行動を封じる技。

『愛の呼吸 参ノ型 兼愛無私(けんあいむし)』
相手の攻撃を冷静に見極め、最小限の動きで回避し、反撃に転じる技。

蜜璃さんは、私の編み出した参ノ型までの技を見て、満面の笑みを浮かべた。

「すごいわ、あなた!本当にすごーく頭がいいのね!その呼吸、とっても素敵だわ!これなら実践でも通用するかも!」

私は、彼女の明るさに触れ、鬼殺隊士としての自信と、人を愛する心を育んでいったのだ。
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