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【鬼滅の刃】屋烏の愛

第13章 気まぐれ【不死川編 第1話】


アオイがいなくなり、二人きりの時間に、言葉は少なくとも、互いの存在が互いを支えていることを感じる。私は小さく息をつき、心の奥の孤独を吐き出すように呟いた。

「…ひとりに…なっちゃいました。」
「……怖かった……」

その声に、不死川は軽く肩を揺らす。

「……チッ、情けねぇな。」

乱暴な言葉だが、温もりが伝わる。胸が、静かに高鳴った。

しばらくして、彼は立ち上がる。

「……寝とけ。俺はここにいる。」

その声には、命令よりも確かな守護の意志があった。私は小さくうなずき、目を閉じる。瞼の裏に浮かぶのは、家族の笑顔ではなく、今、隣にいる彼の背中。あの強さ、孤独、そしてほんの少しだけ見せた優しさ。

夜が更ける。部屋の空気は静かだが、私の心には、微かな温もりが灯っていた。守られている感覚と、彼を守りたいという想いが、混ざり合い、ゆっくりと芽吹いていく。蝶屋敷の小さな部屋で、私は初めて、戦う力だけではない、心の支えを知るのだった。
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