第1章 あすかさん
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side あすか
がいなくなった。
思い当たる場所は少ない。よく遊びに行くあいつの部屋に行ったけれどはいなかった。
「来てねぇよ。なんかあったのか?」
「ちょっとね」
事情を話せば自業自得だと溜息を吐かれる。
それは自分でも重々わかっていた。押し倒されて抵抗はできたんだ。だけど、甘えてしまった。まあいいかって。
無垢なを壊したくなくて、手を出さず耐えていたのに他の女に逃げて傷つけて何やってるんだ本当に。おまけの八つ当たりまでして。
それからあちこち探し回った。だけど、どこにもいなくて他の男に拾われでもしたのかと嫌な事を考えてしまう。そんな考えを振り払って彼女が早く戻ってくることを願った。