第4章 夢遊 ※高
キョトンとした顔のまま顔を傾けると、至近距離にある顔が諦めたように目を閉じて大きなため息をついた。
それに合わせて乗っかっている自分の体も上下したことで気付く。思い切り胸の上に上半身が乗っていて、重なるように腹部から足の間まで自分の体が乗っている。
…流石に…重いかな……
降りようとして、もぞもぞ動き始めたら、その事に気付いたらしい高順さんが上半身起こした。体を起こされると身長差もあって自然と膝が地面を求めて開き、向かい合って高順さんの上に座ってる状態になる。相変わらず腰に腕が回ったまま…
この前は、2粒食べていたから泥酔になっていた。今日はそこまでじゃない。目蓋が心なしか重いくらいだ。
この状態から……どうしたら良いかさっぱり分からないんだけど……
しかも…無言で見つめられてるの…辛いんだけど……
何か言葉を発する訳でもなくひたすた見つめてくる高順さんに、ただただ困惑する。本当に何も喋らないのでこっちは混乱しっぱなしだ。
グルグル思考の渦に飲み込まれていき、その甲斐あってか求めていた酩酊状態が急激に襲ってきた。
「ーー…っ……。」
何か喋ったような、その前に落ちような
はっきりしないまま暗転した。