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薬師助手の秘密【R18】

第4章 夢遊 ※高



「お、おめかし?あの…えっとぉ?」
「東の方の、後宮でいちばーーーん…高いところを散歩する気なんじゃないのか?」
「あはははは…………ハイ。」


いつの間にか足の間に姐さんの膝が入ってるし、距離チカッ!!至近距離で見下ろされてるっ!!それ知ってるよ!!お姉さん達に教わってたやつ!!

壁に、 に触れていない方の肘をついてるので必然と距離は詰まる。

間近でみる姐さんの瞳…青がかって宝石みたいで…綺麗だなぁっ!!
でもって自称散歩コースまで……読まれてるじゃん…


「まずはこれ。」
「これは…?」
「 の好きなチョコレートだよ。何かあったら使いな。なければ部屋に戻って食べな。」
「わーー!ありがとう!姐さん!!」


紙に包まれたチョコレートを手渡され、大事に懐の中にいれる。
あれからちょこちょこ貰っていたのでこれが最後の一粒だ。


「何かやな予感がするんだよな…目と口に紅だけ差しとくか…」
「…ん?んん??」

徐に懐から紅を出して、うっすらと の顔に塗ってていく。
後は寝るだけ…のところまで身繕いしていたので、紅だけとはいえ化粧をされ驚く。が、姐さんがしとけと言うから大人しく従う。

姐さんも散歩…きっと目的は分かってるんだろうけど…ついてきてくれたので、芙蓉妃が登ったであろう壁の足場があるところを教える。


「夢遊病には無理だよね」
「…落ちるな」


気を付ければなんとか登れるだろうが夢現状態で的確に登るのは難しいだろう。
後宮側の宦官の見張りが気付かなくて良かったと心から思う。

気付けなかったことには……ある意味心配でもあるが…


ほとんど止まらずに、ポンポン飛んで足場を移動し、一息に城壁の上まで駆け上がると、芙蓉妃の舞っていた場所まで歩いていく。
今日は満月。
何時もより大きく見える月が二人の門出を祝っているようで、自然と笑みがこぼれた。





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