第3章 媚薬 ※壬
「人間、酔うと抑えが効かなくなるので、今は近づかないで下さい。」
「俺もああなるってことか?」
押し倒され、更に距離が縮んでいく高順と薬屋妹を指差す。
「壬氏様だと多分攻撃されます。手加減は無いと思うので近づかないで下さい。」
「高順があぁなってるのにか?」
解せない…と思いきり顔に出してやると、それを見た薬屋が深々とため息をついた。
「高順さんは餌付けに成功してるので、あぁなったんです。壬氏様が近づくと物理的な攻撃がくるので離れててください。」
「……餌付け……。」
予想外な言葉が出てきた。いつの間にそんなことしてたのか…
薬屋妹の体が少し傾いだのを見て、姉の方が近づいていった。
「 。いくつ食べた?」
薬屋姉の声かけに振り向いた妹の顔は、既に紅潮し瞳は潤んでいる。が、先ほどの3人ほど艶かしい雰囲気はない。酔っぱらっているだけ…なのか…心なしか誇らしげにしているのは何故だろう…。
その下で、転がっている高順が大変なことになっている気がする。
頬が紅潮し、呼吸も荒く…歯を食い縛っているのが分かるがその雰囲気が…官能的に見える。
何があった?
「んー…2つ?」
「1回に1つって昔言っただろ?」
「大丈...夫......だよ。でも……お義父さんには…内緒…ね」
そう言いながら、薬屋妹は完全に落ちた。
高順の上に倒れ込んで…気持ち良さそうに寝息をたてている。