第2章 护手霜
「と言うことで、姐さんの手荒れに効くただの护手霜です。」
「フー…ショウ…?」
「聞きなれないですよね。申し訳ありません」
あっという間に玉葉妃の所まで連行され、説明させられている。
皆、不思議そうに首を傾げているが、それもそのはず。これは姐さんの創を治す目的で色々研究した時の副産物なのだから。
「で、何で出来ているんだ?」
「蝋と油です」
「蝋燭のか?」
「蝋燭も作れますね。」
腹黒似非天女は咎める…というよりは興味深々で聞いているようだ。
「それは誰にでも効果あるの?」
「ハチミツに拒絶反応がでない人であれば誰でも。」
どうやら侍女頭は興味があるようでじっと貝を見つめている。
塗ってみるか聞いてみたら、すぐに是と返事があった。
働き者の女性の手には覿面効果があるはずだ。
「まず、手の様子を見るので…失礼します」
「ええ。」
まず、侍女頭の手を裏表観察する。ひどい手荒れはないが、指先…特に爪まわりは乾燥が目立っている。
「指先の乾燥があるので、このくらい取って…」
塗り方の説明をしながらマッサージも加えていく。
掌でしっかりあたためて柔らかくしてから、手の甲に馴染ませて、次に掌を塗る。掌は塗りすぎると触るもの全てに油がついてしまうので量の見極めも大事。
手の甲を包み込むように、優しく撫でて指は1本1本指圧しながら指先に向かって塗っていく。
掌はツボの宝庫なので、掌で温めながらもしっかり痛気持ちいい強さで圧していった。
「何かポカポカしてきたわ。」
「塗りながらマッサージもしているのでその効果です。血流がよくなれば肌も綺麗になりやすいです。…はい。出来ました。」
「…スゴい…スベスベ……」
ハンドクリームの効果に満足石手貰ったようなので、安堵した所で、デカイ異物が視界を遮った。