第16章 拒絶・・甘やかし。
――寝室の中、微妙な緊張と温かさが混じる空気。
唯の言葉が、ぽろりと本音に近いものになってしまった瞬間だった。
「……あっ、違う……っ今のは!」
唯が慌てて両手を振るが、その腕を智和がそっと取って、にこやかに目を細める。
「僕らも、唯のことが大好きだよ」
そのまま、左右から二人にドサッと押し倒される形になる唯。
「い、今のはそういう意味じゃなくて!」
顔を真っ赤にして、必死に手で顔を隠そうとする「い、本当に今のはそういう意味じゃなくて!」
顔を真っ赤にして、必死に手で顔を隠そうとする唯
悠一がそんな彼女の様子を見て、口の端を上げた。
「ったく……素直じゃねぇなお前」
少し間をおいて、続ける。
「やっぱり一番、3人が平和じゃん?」
その言葉に、唯。は胸の奥が温かくなるのを感じる。
智和も、優しい顔のままで赤面した唯。を見つめる。
「……とりあえず、今日はいいってことにしない?」
そう言って、優しく唯。の頬を撫で、涙を拭ってやる。
智和「ねぇ、唯。」