第16章 拒絶・・甘やかし。
🛏 寝室
薄暗いランプの灯りだけが部屋を照らし、3人は自然とベッドの上に腰を下ろしていた。
唯は小さく息をつき、視線を落とす。
唯「……ごめんね。巻き込むつもり無かったのに……。でも悠一も智和も、何かあったら私を頼ってね。
あっ、その……わ、私が何ができるって訳じゃないけど……」
慌てる唯に、2人は静かにクスッと笑う。
悠一「……相変わらず素直じゃないな」
智和「ね。唯らしい」
空気を変えるように、智和が笑顔で片手を上げる。
智和「じゃあ多数決取ります!
今から3人でイチャイチャしてもいい人~」
悠一「ん」
悠一が何気なくスッと手を挙げる。智和も同じく挙手。
唯「ずるいっ!!絶対2票入るじゃんっ!!」
唯がクッションを抱きしめて赤くなると、杉田がそっと寄り添う。
智和「ほんとに嫌ならしないよ?でも……誰かの常識じゃなくて、ゆいの気持ちを知りたいんだ」
唯「……3人でするのは……変だとは思うけど……」
杉田「じゃあ、僕と悠一どちらか選ぶ?」
唯「それは……その……」
答えられずに視線を泳がせる唯。その会話を聞いていた中村が、堪えきれずに笑い出す。
悠一「ははっ、よくばり」
そう言って、唯の抱きしめていたクッションをひょいと奪う。
唯「だってっ!!私、昔から2人のこと好きなんだもん!!」
しばしの沈黙の後、悠一と智和は顔を見合わせて、同時に柔らかく笑った。