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幼なじみの人気声優〜スパダリ生活

第16章 拒絶・・甘やかし。


――唯の自室の扉が、カチリと閉まる音が響いた。

リビングに残された二人。沈黙が落ち、しばし互いに視線を交わさないまま時間が過ぎる。

中村は、ため息をついてソファに体を預けた。
中村:「……あれ、どう見ても……工藤君だろ。あいつ、また唯に余計なこと言いやがったなぁ……」
苛立ち混じりに頭をガシガシと掻く。

ふと、不穏な気配に気づいて顔を上げた瞬間――
「……っ!」
思わず声が漏れるほど、中村はぎょっとした。

杉田がそこにいた。
いつもの柔らかな笑みを浮かべているのに、瞳の奥がぞっとするほど冷たい。黒い影を纏うように、静かに怒りを噛み殺していた。

杉田:「……僕としてはね。イチャイチャする時でしか泣かせたくないんだけどなぁ」
声は穏やかで、微笑んでさえいる。だが、その口調には底冷えするような殺気が潜んでいた。

中村は一瞬、息を呑み、視線を逸らした。
中村:(……やべぇ。智和、本気でキレてやがる……。知らねぇぞ、工藤……)

緊張に満ちた空気の中で、杉田の笑みだけが静かに残り、次なる一手を暗示していた――



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