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幼なじみの人気声優〜スパダリ生活

第15章 見せつけられる実力・・・・。


本番開始

監督の声が響く。

「じゃあ本番行きます、『影の迷宮』第9話、シーン45から!」

ブース内に緊張が走る。

🎙️ 工藤新(速水 明 役)
低く張りのある声で、だが若さのある響きが強調される。
「……この館にはまだ“影”が潜んでいる。真実を隠すために、犠牲を重ねてきた……」

――その声に、現場の空気が一瞬で引き込まれる。

🎙️ 中村悠一(高橋 律 役)
負けじと、落ち着いた低音にキャリアの重厚さを乗せて返す。
「影を追うのはいい。だが、真実を突き止める覚悟が、お前にあるのか?」
――新と悠一の声がぶつかり、火花が散る。

🎙️ 神里唯(橘 茜 役)
澄んだ声で二人の緊張をやわらげるように。
「二人とも……!いがみ合ってる場合じゃないわ。犠牲になった人たちの声が、まだここに残ってるの……」

唯の声が、重苦しい場をふっと解きほぐす。
その一瞬のバランスで、シーンが息を吹き返した。

🎙️ 安元洋貴(古谷 椋 役)
低く響く声、重厚なバリトン。
「……俺は見た。この館で何が行われていたのかをな」
(台本を睨みつけるように)
「証拠は闇に隠された。だが……声は、消せねぇ」

🎙️ 緒方恵美(神秘の語り部 役)
凛とした中性的な声がブースに響く。
「声は道標。迷宮を越える鍵となるでしょう。けれど……影を見た者は、決して同じ場所には戻れない」

その一言で、現場全体が鳥肌を立てる。

監督:「はいカット!――いいね!工藤くん、力強い。中村くんもさすが。唯さん、入りがすごく自然で助かる。安元さん、緒方さん、さすがベテランの圧。素晴らしい」

アフレコ終わり_

現場に安堵と緊張が混じる空気。
新は爽やかに笑い、唯へ視線を投げた。
「唯先輩の声があったから、入り込めました。ありがとうございます」

その視線に悠一の眉がぴくりと動く。
――だが、負けじと悠一は心の中で呟いた。

(……絶対に、俺の前で唯を口説く真似はさせねぇ)





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