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幼なじみの人気声優〜スパダリ生活

第3章 タワーマンションの夜景


「えっ……ここ?」
思わず声が漏れる。
まるで高級ホテルみたいなエントランス、磨き上げられたガラス、深い紺色のカーペット。
そんな中で、悠一が当然のようにスマートキーをかざす。

中村「着いたぞ」
短くそう言う声に、心臓が跳ねた。

◆ 部屋の扉が開く瞬間
エレベーターの扉が閉まると、四方を囲むガラスに夜景が映り込む。
東京の光が、宝石みたいにきらめいて――
(な、何これ……)
こんな景色、仕事の現場でも見たことがない。

「……やば」
思わずつぶやいた声が、自分でも驚くくらい小さかった。

杉田「まだ驚くのは早いよ」
軽口とともに、ドアが静かに開く音。

そこに広がっていたのは――
シックな黒とグレーを基調にした広々としたリビング。
大きなガラス窓からは、東京の夜景が一望できる。
その奥には、落ち着いた照明に照らされたダイニングキッチン。
アイランドカウンターがまるでホテルのバーみたいで――

(……ほんとに、ここで二人暮らしてるの?)
足を踏み入れた瞬間、胸の奥で何かがざわめいた。
(……っていうか、この空間に、私が今から一緒に……?)

視線をそっと動かすと、棚の上に見覚えのあるものが並んでいた。
ゲームのサントラCD、懐かしいジャケットの数々。
その横には――精巧に作られたガンプラが整然と並んでいる。

(……あ、変わってない)
胸の奥が、じんと熱くなる。
あの頃、三人でゲームして、音楽聴いて、未来の話をして――
笑っていた時間が、一気に蘇る。

「……どうした?」
悠一の低い声に、はっと顔を上げると、その距離が思ったより近かった。
大きな手が、さりげなく買い物袋を受け取ってくれる。
指先が一瞬触れて、心臓が跳ねた。

中村「……手、冷たいな」
何気ない言葉。でも、その声音が低くて優しくて――
呼吸が、少しだけ浅くなる。

杉田「おーい、唯。冷蔵庫こっち」
軽い声に、思わず肩が跳ねた。
さっきまでの動揺を隠すように、結衣は笑顔を作ってキッチンへと足を向ける。

(……こんな状況、想像もしなかった)
ここから始まる夜を、私はまだ知らなかった――。

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