第11章 新たな...企み。
スタジオの別室での静かな空気に、少し違った緊張感が漂い始める。
新
「あっ、そういえば 唯先輩に聞きたいことがあったんです」
唯
「何……?」
新
「悠一先輩と、付き合ってるんですか?」
唯は一瞬、固まってしまった。
新
「コンビニまで迎えに来てましたよね」
唯
「ちっ……ちがっ……あれはそのっ」
新「違うのに、同じ家に帰るんですか?」
唯「なっ!! な、なんでそこまで見て……!?」
新「あっ、ほんとうに同じ家なんだ。唯先輩、嘘つけないタイプですね」
壁に頭を埋め、唯はうなだれる。
(内心)私のバカあああああ!
唯
「そ……そのことは、みんなに言わないでね! 付き合ってるわけじゃないけど!」
新
「付き合ってないのに同居? なんか……不思議ですね」
唯「色々事情があるの!!」
新は少し間を置き、視線を逸らさずに言った。
新「でもあの時……僕、見ちゃったんですよ。先輩のココに、やらしい跡がついてるの」
トンっと、跡のある部分をそっと指で触れる。
急に恥ずかしくなった唯は、体を縮めて隠す。
新
「わかりやすいなぁ……可愛いですね、先輩」
唯「せ……先輩をからかわないで……っ」
新
「でもキスマークのことは、否定しないんですね」
片手を壁につき、唯にぐっと近づく新。
唯は、何も言えずに俯く。
新
「悠一先輩って、かなり声優界で人気じゃないですか?」
唯「み……たいだね……」
新
「恋愛してましたなんて知られたら……世間のファン、大騒ぎになりますよね」
唯「っ……だから、このことは……っ」
新「確かに……僕も黙っておいた方がいいかなとは思います」
唯「じゃあ……内緒に……」
新
「でも、それって……僕にメリットないですよね?」
唯の顎を優しく、クイッと持ち上げながら、悪戯っぽい笑みを浮かべる新。
新
「黙ってる代わりに、僕の言うことなんでも聞くってことで……どうですか?」
唯(内心)
こ……子犬だなんて、とんでもない……っ!?