第11章 新たな...企み。
ガチャッ、と扉が開く。
中村:「すみません、前の現場押してて……遅れました」
日笠:「おはよ、中村くん!売れっ子だねぇ〜、遅れるなんて」
真綾:「お疲れさまです」
中村は軽く会釈を返す。
その視線が―― 唯と新人が手を繋いでいる光景を捉えた。
ピキッ、と眉がわずかに動く。
(……なんで、唯があんな顔で手を繋がれてんだ?)
中村は無言で歩み寄り、新人の前に立つ。
中村:「今日から期待の新人が来るって聞いてたな。……初めまして、中村悠一です」
新:「工藤新です。よろしくお願いします、先輩!」
中村:「演技がすごいって噂、聞いてるよ期待してる」
新:「い、いえ全然です!これから学ばせていただきます!」
(新、にこにこと頭を下げるが――その内心はギラリと光っている)
音響監督:「中村さん、間に合って良かった。じゃあアフレコ始めます。新くんは今日は現場の雰囲気を掴むために、見学でお願いします」
新:「はいっ、よろしくお願いします!」