第11章 新たな...企み。
コンビニ🏪
唯は腰をさすりながら歩く。
「もう…っ」
あんなに何回もされたのに、悠一と智和は遠慮という言葉を知らないのか――。
飲み物を取ろうとした瞬間、他の人と手が触れた。
唯:「あっ、ごめんなさい!」
慌てて手を引く。
謎の男:「いえ、僕の方こそすみません。お先にどうぞ」
唯は軽く頭を下げ、心の中で「ありがとうございます」とつぶやく。
(内心)謎の男:「可愛い人だなぁ…声も、まさか声優の唯さんかな?」
唯は財布を探しながら焦る。
「あれっ…お財布…えっと、す、すみません!」
謎の男:「んっ?」
唯:「すぐ取ってくるから、そのまま…っ!」
男はくすっと笑う。
唯:「でも商品、戻した方が…」
謎の男はひょいっと現れ、ピッと支払いを済ませる。
唯は驚き、口を開ける。
「あ、あの!えっ?」
謎の男:「困ったときはお互い様って言うじゃないですか。可愛い女性の力になれて嬉しいんです」
唯:「ひぇ!? いや…そんなことは…」
(内心)顔隠してるのに、なんでわかるの!?
さりげなくすごいこと言う人だ――。
男が会計を済ませる間、唯は感謝の気持ちでいっぱい。
唯:「あっ…ありがとうございます。このお礼は必ず…!」
謎の男:「ほんと、いいんで。お気になさらず」
ふと目線が唯の首筋にあるキスマークに触れる。
(内心)謎の男:「へぇ、人は見かけによらず…」
そのとき入口から二人の男性が入ってきた。
杉田(変装):「あっ、ほらいたよ」
中村(変装):「遅っせぇよ。何やってんだ」
杉田(変装):「心配で来ちゃった。何かあった?」
唯(変装):「えっと…お財布忘れちゃって…」
中村(変装):「まったく…相変わらずどんくさいな」
(内心)謎の男:「あの痕、どっちがつけたんだろう。声からすると、中村さんと杉田さんかな?」
杉田(変装):「迎えに行くって言い出したの悠一だから」
中村(変装):「おいっ!余計なこと言うなって!!」
謎の男:「まぁ、どうでもいいか。あとチキン1つ下さい」