第8章 甘く蕩ける夜、
中村「どうした?」
その声に、思わずビクッと体が反応する。
唯「べっ、別になんでもない……」
慌てて言う私に、悠一はソファー越しからじっと、全てを見透かしたような視線を向けてくる。
「ふーん? なんでもないのに...さっきから俺のこと見てたのかよ」
悠一はゲームとテレビを、リモコンでぱちんと消すと、静かにベッドに近づいてくる。
スプリングがギシッと音を立てるたび、心臓が跳ね上がる。
唯……お前さ、智和としてどうだった?」
突然、手が私の顔にそっと触れる。熱さとドキドキで、顔が一気に赤くなる。
悠一は顔を近づけ、耳元で低く囁く。
「あれが、俺だったらって、ちょっとは考えたか?」
唯「かっ……///考えてないよ、そんなの……」
言葉が裏返り、視線も逸らしてしまう。
「なら今考えてみろ。俺は智和みたいに性格悪くないから…… 唯のいいとこ、たくさん責めてやる」
その声に、体が思わず熱く反応してしまう。
悠一は私の耳元で甘く息をかけ、
帯の辺りに指先で軽くトン、と触れる。
中村:お前の中が俺の形になるまで何度も..何度も
唯「変なこと言わないで…///」
必死に押しのけようとした瞬間、悠一に手を取られ、ぐいっと力強く引き寄せられる。
反射的に体がくすぐったく震え、視線が逸れない。
――どうして、こんなにも甘くて、官能的で……胸が苦しいんだろう。
ドサッ――と、悠一が私を押し倒す。
悪い笑みを浮かべて、ゆっくりと顔を覗き込む。
「何もしないと思ったのか?」
顔を真っ赤にして、必死に目線を逸らす。
「…/// わ、私が嫌だったらしないって……」
悠一は目を細めながら、私の頬に手を添える。
「嫌? してほしいって顔に出てるぞ」
焦りで手を動かして少し抵抗する。
「そっ、そんなことない…///」
悠一は甘く低く笑い、私の手首を優しく掴む。
「気持ちいいこと、好きなんだよなお前……認めろよ、俺にも抱かれたいって」
そのまま、浴衣の帯に指をかけ、シュルリと解いていく。
私は必死に目線を合わせないようにして、息を詰める。
「そ…そんなこと……っ思ってない……」
悠一はそんな私を見て、呆れたように低く笑う。
「恥ずかしがることないじゃん……」