第8章 甘く蕩ける夜、
湯船に浸かり、体の芯まで温まる。
悠一が言っていた通り、この部屋の浴室は圧倒的だった。ジェットバスの泡が肌を包み込み、壁のタイルは柔らかな光を反射して、まるで高級スパのよう。
体を洗い、丁寧にスキンケアを済ませると、湯気と香りに包まれた空間が一層心地よく感じられる。
湯船から上がると、悠一がふと私の姿を見つめているのに気づく。
でも、すぐに目線を外し、携帯ゲームに集中する。
その後ろ姿に、心臓がまだ少し高鳴る。
ベッドに戻り、寝る準備をしながら、私は携帯を手に取る。
AGO(エーテルガルドオンライン)にログインして、ログインボーナスを受け取る。
ふと、ソファーに座る悠一方をチラリと見る。
ほ……ほんとに、何もしてこない……。
悠一はテレビを見ながら、黙々とレイドボス攻略に集中している。
その姿は真剣で、だけどどこか色気を帯びていて、目が離せない。
頭の中で、あのことがふとよぎる。
悠一は、智和と最後まで……どう思っているんだろう。
絶対、えっちなことしてくると思っていたのに……。
これじゃ、まるで……私が期待しているみたい……///
顔が熱くなり、思わず視線を落とす。
心の奥で、もやもやとした気持ちと期待が入り混じる。
だけど悠一は平然としていて、静かにゲームに熱中している。
このギャップが、どうしようもなく、胸を締め付ける。