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幼なじみの人気声優〜スパダリ生活

第8章 甘く蕩ける夜、


空港からホテルへ向かう車内。窓の外には大阪の街並みが流れる。
隣には悠一。ふとした瞬間、彼の横顔が視界に入って、胸がちくりとする。

「……あ、そういえば部屋の手配、ちゃんとできてるんだよね?」
緊張気味に聞く私に、悠一は肩をすくめる。

「大丈夫だと思うけど……一応、念のため電話してみるか」

ホテルに着くと、フロントの女性が少し困った顔で出てきた。

「申し訳ありません、予約の手違いで……お二人のお部屋がブッキングしてしまっていまして……」

「えっ……」
思わず声が裏返る。悠一も目を丸くして、私と目を合わせる。

「……つまり?」

「同じお部屋をご用意させていただく形になります」

一瞬、時間が止まったような気がした。
悠一と二人で同じ部屋――!?

「……それじゃあ、部屋をグレードアップさせていただきましたので、広さは問題ありません」
フロントの女性が微笑む。確かに、見た目は高級感のある広めの部屋だ。

「え、あ、ありがとうございます……」
慌ててお礼を言う私。悠一も少し照れくさそうに頭をかいた。

「……えっと、まあ、こういうこともあるってことで、気楽にいこう」
悠一の声に少し救われる。
だけど、この先の夜、二人きりの時間がどうなるのか――そんなことを考えると、胸がそわそわして落ち着かない。

窓の外に大阪の夜景が広がる中、私は無意識に手をぎゅっと握りしめた。
――この同室ハプニングが、思った以上に長く、甘い時間の序章になることを、このときの私はまだ知らなかった。

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