第7章 焦りと独占欲。
中村:「チッ…… 唯の痕、見なかったのか? あれ全部つけたの俺だからな」
杉田:「あー、あれね。すまないね。僕が上書きしたから…今は僕のものだよ」
中村:「おい!!」
くだらない口論を繰り返す二人の横で、唯は何も言わず、ふらふらと浴室へ向かう。
パタン、と扉を閉める音が響き、湯気が広がる中、タイルの床にしゃがみ込む。
熱いシャワーの水流が肩を打ち、まだ残る熱と疼きを流そうとする。
けれど――耳に焼きついた智和の声が蘇る。
『また3人でやる?』
「……っ、もう、絶対流されないんだからっ!」
小さく呟き、両手で顔を覆う。
でも胸の奥では、決意と一緒に微かな期待がくすぶっていることを、唯自身も気づいていた。