第7章 焦りと独占欲。
唯「ま、待って…っ…もう…ほんとに……限界…っ」
途切れ途切れの言葉が、最後の理性を訴える。
――その瞬間。
バンッ!!
扉が勢いよく開き、空気が張り詰める。
「あー疲れた…信じらんねぇ!!」
悠一が、苛立ちを隠さずドカドカと入ってくる。
「杉田聞けよ!あそこの有名な音響監督、マジで酒癖悪ぃんだ…けど…」
言葉が途中で止まる。
言葉の途中で、悠一の目が2人を捉えた。
悠一:「…………は?」
一拍置いて――
「はぁあああああ!!」
智和:「おかえり〜、悠一」
悠一:「…ともかず……おまっ……!? おかえりじゃねぇ!!」
声を荒げ、まるで猫のように全身で威嚇する悠一。
すぐに唯と智和を引き離し、自分のそばへ引き寄せる。
力強く抱きしめながら――
中村:「なに最後までやってんだよ! ずるいぞ!!」
杉田:「えー? 先に抜けがけしたのは、どっちかな…?」
余裕の笑みを浮かべ、軽く挑発する。
悠一:「ぐっ……!」
一瞬で言葉に詰まり、顔が真っ赤になる。
「くそ…っ! 昼に我慢するんじゃなかった!!」
歯ぎしりしながら、腕の中の唯を抱きしめ直す。
「絶対俺が杉田より先にするつもりだったのに!!」
杉田:「って思ったよ。悠一ならそう言うと思ってた…だから僕が先手、打たせてもらったよ」