第7章 焦りと独占欲。
新居_夜_リビング
杉田「……あれ? 唯早いね。てっきり中村と一緒に帰ってくるかと思ったけど……なんかあった??
──ジャケットを脱ぎながら、眉を寄せて心配そうに近づく。
唯:「今日…ひとつ仕事が無くなったから…先に帰ってきただけ。悠一はまだアフレコ中だと思う…知らない」
──マグカップのホットミルクを口に運びながら、不機嫌そうに視線を逸らす。
杉田:「ほんとに?」
──ソファーに腰掛け、唯を観察するような目。
「そんな顔してたら、僕の方が心配になるよ。唯の相談なら、なんでも聞くけど?」
唯:「……喧嘩しただけ。だから別に、なんもないよ」
──カップをテーブルに置き、短く吐き出す。
杉田:「ふーん、ケンカ…ねぇ?」
──視線が、首筋に止まる。そこには赤く残る痕。
杉田:「……そりゃ、仕事の最中にあんなことされたら怒るよな」
唯:「なっ!? 何言ってるの、智和!? 何も無かったってば!」
杉田:「ほんと、昔から嘘つくの下手だよね」
(口元に笑みを浮かべ、片手で唯の髪をかき上げる)
唯の首筋を軽く指でなぞる。
「…すごいよ、ここ」
唯は慌てて首を手で隠す。
「……っ」
(言葉を失い、後ずさる)
杉田side
まさか…職場で唯に手を出すとは、あいつ何考えてるんだ。
痕をつけるなら、もっと目立たない場所にしろ…テレビに映ったらどうするつもりだ。
……それに。あからさまに『俺の女』って主張するみたいで、なんか…ムカつく。
──杉田が耳元に顔を寄せて囁く。
杉田:「ねぇ……悠一に、何回イかされたの?」
ドサッ——
(そのままにソファに押し倒す)
唯「えっ…!? とも…かず…?」
杉田はゆっくりネクタイを緩め、見下ろす。
「悠一と何もなかったんだろ?…だったら」
(顔を近づけ、視線を絡めたまま)
「僕に…確かめさせて?」