• テキストサイズ

幼なじみの人気声優〜スパダリ生活

第6章 新たな_ライバル!?


撮影後の裏側シーン

スタジオの喧騒が少しずつ遠ざかり、唯は控室で私服に着替えを終えた。
鏡の前で髪を整えていると、軽いノックと共に夏油傑がゆいの前に現れた。続いて五条悟もにこやかに微笑みながら入ってくる。

「お疲れさまです」
スタッフが撤収を始め、スタジオは少しずつ静かになっていく。
汗ばむ額を軽く押さえていたの唯前に、五条と夏油が並んで現れた。

夏油:「はい、これ。まだ未発表なんだけど…特別に」
夏油が差し出したのは、二つの小瓶。
ひとつは淡いローズピンク、もうひとつは深いネイビーブルーのガラス。

五条:「コンセプトはね、“初恋”。男女で香りが違うんだ」
五条が説明を引き継ぐ。
「女性用は、胸がくすぐったくなるような甘さ。男性用は…独占欲と、相手を大切にしたい気持ちを込めて作ってる」

そう言うと、彼は青い瓶を手に取り、蓋を開けた。
「試してみない?」
返事を待たず、五条は唯の首筋へそっと吹きかける。
ふわりと漂う香りは、甘さに混じるスパイスのような熱――まるで、誰かに抱きしめられているような錯覚を起こす。

「…いい匂いでしょ。」
彼の声が、耳の奥に低く響く。
横で見ていた夏油が、ほんのわずかに目を細めた。
――悟、わかってやってるな。まるで自分たちの所有物だと見せつけるみたいに。
それでも、その独占欲を共有できるなら悪くない…そう思ってしまう。

五条が香水を置くと、今度はふいに身を乗り出してきた。
「そうだ、良かったらサインください!…」
急にサイン下さい 言われ驚いて瞬きを繰り返す。
「えっ…あ、はい…私ので良ければいいですよ」

手渡されたのは、デビュー当時に歌ったキャラクターCDのジャケット。
懐かしくて恥ずかしかったけれど、こうして古くから応援してくれている人がいることに胸が熱くなった。ササッと書いておれいを言う。
「本当に、ありがとうございます。ずっと見ていてくれたんですね」

その時、控室のドアがノックされ、唯の担当マネージャーが顔を出す。
「そろそろ次の現場に行きますよ」

夏油が最後に連絡先を交換し、五条も軽く会釈をして見送った。
次はゲームのアフレコ現場。忙しい日々がまだまだ続くけれど、今の幸福感を噛み締めながら、唯は歩き出した。

/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp