第6章 新たな_ライバル!?
マネージャーの車内 — 移動中
窓の外をぼんやり見つめながら、ため息をついた。
唯」(内心)「住む場所は、いったん諦めるとして…」
マネージャーの桜井(さくらい)が助手席でにこやかに話しかける。
「唯さん、今日はコスメの撮影とゲームのアフレコ収録ですね。ラジオ配信は機材トラブルで中止になりました。ゲームの収録が終わったらすぐ帰宅で大丈夫です。」
唯はふっと肩の力を抜いた。声優の仕事は慣れているけれど、今回はモデルの仕事も兼ねている。初めてのコスメ撮影に緊張していた。
「今回、トップモデルの2人がプロデュースしたコスメのイメージに合う人を探していたら、唯さんがピッタリだったそうです。」
唯はほんの少しだけ笑みを浮かべる。声優としての顔だけでなく、新たな一面を求められている実感が嬉しかった。
撮影スタジオ — 初対面の緊張と期待
スタジオに到着すると、スタッフの皆が忙しく準備をしている。
唯は深呼吸してから、明るく声を出した。
「初めまして、神里 唯です。今日はよろしくお願いします!」
衣装担当の山口さんが笑顔で迎える。
「唯さん、よろしくお願いします。今回大人の魅力をテーマにした今回の撮影、とても楽しみにしていました。衣装はあなたのイメージに合わせて選びましたよ。」
メイク担当の藤井さんも近づいてきて言った。
「今回のコスメは、トップモデルのお二人が自分たちで考案して商品化したものです。彼たちも現場にいるので、直接絡みながら撮影するんですよ頑張っていきましょう」
プロデューサーの田中が現れて、厳かに挨拶した。
「五条悟さんと夏油傑さんが今回の撮影に参加します。神里さん、絡みのある撮り方をするので、よろしくお願いします。」
唯は少し緊張しつつも、気を引き締めた。
スタッフの一人、照明担当の佐々木が
「神里さん、衣装はすぐ用意できるから、控え室で着替えてきてくださいね」
唯はうなずき、背筋を伸ばして控え室へ向かった