第5章 崩れていく境界線
唯「なっ……なんで勝手に決めてるの!?」
声を張り上げるが、震えている。
杉田「だって、こうでもしないと――」
唇の端を吊り上げ、耳元に顔を寄せる。
「唯、逃げちゃうでしょ?」
中村「それにな……忘れたのかよ。――これ、夢だったろ」
唯「……え?」
二人同時に、低い声で囁く
「“夢が叶ったら、3人で一緒に住む”って。……約束したよな?」
⸻
唯
だからって…どうしてここまで…!そんなの小さい時の夢の話なのに!」
(2人、笑いながら呆れたように見つめ)
(中村、唯の手をぐいっと引く)
中村&杉田:「そんなの…唯を手に入れるために決まってるだろ」
杉田:「他の男なんか近づけさせない。覚悟しとけよ」
中村:「まぁ昔みたいに仲良くやろうや」
唯:「こ…こんなの……絶対ムリっ…!」