第5章 崩れていく境界線
――その瞬間、唯のスマホが着信音が鳴る。
唯「……あれ? お母さんからだ。もしもし、お母さん? どうしたの?」
母「聞いたわよ! 今日から智くんと悠くんと同棲するんだってね!」
ピシッ。
まるで時間が止まったかのように固まる。唯
唯「なっ……なんでそれをっ!?」
母「ほんと助かったわ〜。事情を聞いて従兄弟に電話したら、たまたま旅行に行くらしくてね。東京からしばらく出るって言うのよ。それでホテルに泊まってなさいって言おうと思ったら、智くんから連絡が来たのよ。『俺達も心配だから...唯を預かりますよ』って。いやぁ、しっかりしてるわねぇ〜」
唯 「…………」
母「しかも同じ職業だから練習も励めるし、いいじゃない。あ、小さいときみたいにケンカしちゃダメよ?」
バッと振り返り、2人をギロッと睨む。
中村と杉田は揃って、にこやかにグータッチ
母「じゃあ、3人仲良くね〜🎶」
――ブチッ(通話終了)
震える
唯「……まさか……」
悠一と智和が、同時にニヤリ。
中村「俺らでおばさんに連絡しといたから」
杉田「『2人いるなら安心』ってさ。ほら、唯も悪質なファンがいるって言ってたでしょ? なんかあったときのためにだよ。おばさん、結構心配してたんだぜ」