第5章 崩れていく境界線
中村「そうそう」
その声と同時に、ショーツがするりとずらされる。
次の瞬間、指が――中に入った。
「ひッ……あぁッ……!」
全身が跳ねる。
ぐちゅ、といやらしい音が響くたび、理性が溶けていく。
それでも――
杉田「……ちょい中村、刺激強すぎるって唯嫌がるよ?」
悠一の手元を見ながら、溜息つく。
「あんまり強引だと嫌われるぞ」よしよしと頭を撫でる杉田。
そう言いながら、唯の乳首を、指先で軽く弾いた。
「ひゃッ……! や……あぁッ……!」
声を押し殺しても、甘い悲鳴が零れる。
中村「唯が敏感すぎるんだよ。……俺は唯の気持ちいい顔、もっと見たいだけ」
低く囁きながら、奥深くまで指を進める。
にゅぷっ……ぐちゅ……。
浅く、深く。
その動きに合わせて、親指が敏感な突起を撫で上げる。
唯(内心)
(――だめ……っ……これ……)
(こんな……全部……一緒にされたら……)
甘い水音が部屋に満ちる頃――悠一が、さらに一歩、踏み込んだ。
太腿に唇を這わせ、そして……悠一と視線が絡む。
中村:杉田、俺の代わりに唯の顔みといて。
「や……っ……まッ……!」
クリトリスに、舌が触れた。
「ひあああっ……!!」
背筋を雷が走る。
杉田:唯もう1回キスしようか。
その間も、杉田は顔を近づけ、キスでの唯声を塞いだ。
舌と舌が絡み、唾液が糸を引く。
空いた手で乳房を優しく揉みしだく。
(や……もう……無理……)
イきそうな波が、腹の底からせり上がる――。
――その瞬間。
杉田「中村。ストップ」
低い声と同時に、悠一の頭を、ぐいっと押し退けた。
中村「は?」
舌打ち混じりの声。
「何だよ……今、いいとこだったのに」
杉田「……中村にイかされるなんて、許さないよ」
優しい笑顔のまま、瞳の奥は冷たい炎を宿していた。
中村「はぁ!? 別にいいだろ、譲れよ!」
苛立ちを隠さない声。
二人の視線が交錯する。
甘い空気に、鋭い緊張が走った――。
杉田 唯のこと以外なら、譲ってあげるよ」
ソファにもたれ、余裕の笑み。だが、瞳の奥は冷たい
中村「は? ぬかせ……先に唯をイかせるのは、俺だ」
ぐっと身体を前に乗り出し、低い声で言い放つ。