第5章 崩れていく境界線
「んッ……だめ……やっ……」
左の乳首を、悠一の舌が強く吸った。
「ひゃっ……ぁ……!」
舌先がれろりと這うたびに、体がビクビクと震える。
吸い上げる強い刺激が、じわりと胸の奥に火をつける。
「じゃあこっちは、僕が」
右側で、智和の指が、もう一方の胸に触れる。
親指でころころと乳首を転がしながら、耳をぬるりと舐めた。
「んんっ……あぁっ……!」
甘い声が漏れるたび、二人の視線が重なる――それは、獲物を共有する獣の目。
左手首を、智和の大きな手が優しく押さえる。
「逃げんなよ……」
そう囁かれた瞬間、背中をぞくりと悪寒が走った。
さらに――
悠一の右手が、スカートの裾をくぐり抜けて、ショーツの上から秘部をなぞる。
すり、と。
たったそれだけで、腰が跳ねた。
「あっ……や……あぁっ……!」
電流が走ったみたいに、全身が震える。
「……濡れてんじゃん」
耳元で、悠一の声が低く笑った。
(……やだ……こんなの……)
頭では拒絶してるのに、体が逆らえない――
唯は息を荒げ、涙目で顔を逸らす。
「んんッ……っ」
自分の手で口元を押さえ、必死に声を堪える。
けれど、その抵抗はあまりに弱かった。
杉田「……唯、気持ちいい?」
囁く声と同時に、耳たぶを指先が撫でる。
ぞくりと震える背筋。
「……っちが……っ……やだ……」
絞り出すような声。
だが、その言葉を嘲笑うみたいに、悠一が低く嗤った。
中村「気持ちよくなかったら……そんな顔しないだろ」
舌先で乳首をころころと転がす。
そのたび、電撃のような快感が胸を貫いた。
しかも、スカートの奥で、ぬるりと指が這う。
ショーツ越しに撫でられただけで、腰が勝手に揺れてしまう。
(……っなにこれ……いや……)
「ちょ……やだぁ……変なこと……しないで……っ」
必死に足を閉じようとする。
だが、智和の手がやさしく、けれど確実に太ももを押さえた。
杉田「唯怖くないよ……変なことなんてしない。ただ――」
耳に熱を落としながら囁く。
「……俺らは、唯を可愛がってあげたいだけ」