第10章 夜明けまで許さない
彼「こんなに濡らして……本当に嫌なら、こんなふうにはならないはずだ。」
「……っちが……いや、ちがうのに……!」
涙混じりの声も嘲笑に掻き消され、下着が乱暴にずり下げられる。
夜気にさらされた素肌が一瞬で粟立ち、羞恥と恐怖が重くのし掛かる。
彼「ようやく取り戻した。誰にも邪魔されない……アイツにもな。」
彼の視線は獣のようにぎらつき、腰を押し付けながら囁いた。
逃げようとする背中は壁に阻まれ、脚も絡めとられて動けない。
冷たい壁と彼の熱い体温の板挟みにされ、身動きは完全に奪われていた。
そのまま行為へと引きずり込まれる――。