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先生と生徒
第9章 甘くて苦い
彼はめいの隣を歩き出した。
人混みへと戻る道のり、その背の高さと歩幅に合わせるだけで精一杯だったけれど不思議と怖くはなかった。
むしろ、背後を気にせず歩けることに安心している自分がいた。
胸の中に残るのはまだ失恋の痛みと、自分の軽率さへの嫌悪。
だけど同時に、あの時差し伸べられた助けが確かに救いになっていた。
――悟との出会いは、そんな夜だった。
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