第5章 不埒な夜に堕ちて
甚爾は女を抱きかかえ、まるで獲物を攫うようにその部屋へと運び込んだ。
玄関の扉が閉まる音が、やけに硬質に響いた瞬間から2人の理性はもう役に立たなかった。
女はベッドへ押し倒され、甚爾はその上に覆い被さる。
甚「……誘ったのはオマエだぞ。」
「うん……だから、いっぱい……して……。」
シャツのボタンが音を立てて弾け飛び、ブラのホックが外された。
酔いと熱で頬を染めた女の体に、甚爾の熱が覆いかぶさる。
唇が首筋を這い、鎖骨を舐め、ゆっくりと胸元へと降りていく。
「っ……ん、甚爾……っ。」
吐息混じりの声に、男の理性は完全に消え失せていた。
「ん……だめ、そこ……。」
甚「どこが“だめ”なんだ?ここ?」
焦らすように、何度も同じ場所に触れてくる。
徐々に下着の中へと手が伸びてくると、彼女は堪らず腰を浮かせた。
「……意地悪。」
甚「オマエが誘ったんだろ。こうなるって、わかってただろ。」
耳元でそう囁かれたとき、めいはもう、すべてを受け入れる覚悟ができていた。
部屋に響くのは互いの呼吸と、微かに軋むベッドの音だけ。
長い夜が、始まろうとしていた——。
指先が下着越しに濡れた感触を捉えた瞬間、甚爾はわずかに笑った。
甚「……こっちは正直だな。」
「……ばか、甚爾のせい……んっ……。」
言い訳をかき消すように、再び唇が重なった。
体温と体温、欲望と欲望がむき出しに絡み合い、やがて甚爾は自らのベルトを外し下着を引き剥がすように彼女の足元から落とした。
甚「……入れるぞ。」
「……うん、来て……っ、あ、ぁ……っ!」
ゆっくりと、だが確実に深く埋め込まれる熱。
女の身体は甘く跳ね、指先がシーツを掴んで震えた。
甚「っく……狭ぇ……っ。」
「や……ぁ、でも……気持ち、良い……っ。」
甚爾は女の腰をしっかりと掴み、激しさを増しながら奥へ奥へと突き上げていく。
そのたびに女の声が揺れ、快楽に蕩けた目で彼を見上げた。
「もっと……して……壊れるくらい……っ。」